日高線・標津線 初版公開

画像▲根釧台地を一直線に貫く、東の果てを目指したローカル線。10,000mの描画に対応するスペックであれば、壮大な北海道をお楽しみいただけます。画像は上武佐駅付近。高倉健主演の映画「遥かなる山の呼び声」のロケ地でもあります。とくに有名なのは「鉄道員(ぽっぽや)」ですが、この駅にも彼の足跡は残されています。 画像▲最終便の苫小牧行。外は冷えていて、車内は程ほどに暖かい。4駅を30分かけて走りますが、長いと感じることは殆どありませんでした。苫小牧に着くと、階段付近の誘導音が鳴り響きますが、そのループ音を夜に聞くとドッと疲れが溢れて眠くなるんですよね。 画像▲広尾線愛国駅に展示されていた、移動式列車停止位置目標。標津線アドオンの中標津駅で見られますが、シナリオを読み込む度に配置が若干変化する仕様となっているので、停車の際はよく確認しておきましょう。

 本日より日高本線の苫小牧→鵡川間に加え、標津線(読み:しべつ)の根室標津→中標津間を公開しました。雪景色のスクリーンショットやキハ22形は、実は別路線のアドオンなのでした。
 標津線は、釧網本線標茶駅~根室標津駅間の本線と、途中の中標津駅で分岐し、根室本線厚床駅とを結ぶ厚床支線で構成されています。南武線や小野田線で見られるような二股路線です。地図を見ると「λ(ラムダ)」を反転した「λ」のような線形となっています。歴史上、厚床支線が先に開通し「標津線」を名乗っていましたが、のちに中標津から計根別、標茶方面へと別路線を延伸させ、その路線が「標津線(Ⅱ)」の本線格となりました。1968年には既に赤字83線へ指定される程の超赤字路線となっていましたが、真冬の根釧台地は零下20度を下回る程の酷寒地であることや、並行する道路の都合から代替輸送に問題があるとして、天北線・池北線・名寄本線と共に辛うじて生き残ります。やがて輸送の問題が解決されると、1989年4月30日に廃止されました。JR北海道に継承された中、2年弱でバスへと転換されました(実はそのバスも、西春別~標茶間が廃止となっている)。
 データは国鉄版とJR北海道版のシナリオ2点。製作には前面展望映像や勾配・曲線の旅および当時の時刻表を参考にしました。一部未確認の箇所については、独自の解釈を含んでいることをご留意ください。また本作は気動車パックを参照していることから5/6どちらにも対応しています(日高線は5のみ)。

★指定車両について、こちらで補足します。

 標津線はキハ22形2両での運転ですが、データ自体はRock_On様実装のキハ20形です。走行音を標津線用に収録・編集したものへ変更しています。この路線は10m短尺レールで敷設されており、一部区間に25m定尺レールが使われていますが、交換自体もごくわずかに留まっている状況です(前面展望DVDにて確認済み)。なので、日高線のキハ40で収録したモノを加工して"それっぽく"再現したものになります。このため実際のジョイント音とは完全に別物と思ってください。申し訳ないです。

 一方の日高線ですが、こちらもBVEで再現するには車両のハードルが思いのほか高い。前の記事でも書いたように、日高線で活躍する車種は350番台もしくは1700番台です。結論を言うと、実装されている700番台ではダイヤに乗れません。何故かといいますと350番台以前に、専用車両としてキハ130形が導入されていた線区だったから。機関は「DMF13HS形 (250PS / 2000rpm)」。キハ40よりも軽量且つ加速性能で優っていた車両です。結局は使用環境の問題で早々の置き換えとなってしまいましたが、このキハ130形のダイヤを維持するため、「DMF15HSA型(220PS/1600rpm)」を「N-DMF13HZB(330PS / 2000rpm)」へ換装し、更に静内以東の山岳区間へ対応すべく「砂撒き装置」を設置しました。ただ1両だけの例外として、789だけは強馬力に換装されており、日高線にも入線していました。ネット上で確認ができます。

 この関係で、指定車両としてる700番台では確実に遅延が発生します。シカ以前の問題。この件について自分の力ではどうしようもないため、大目に見ていただけますと幸いです。対応する車両の製作が可能かどうかで、製作できる路線がかなり絞られるのがBVE5としての苦しい部分…。それでは運転士のみなさん、よい旅を。

苫小牧駅・鵡川駅

画像▲見えない部分などは完全に省略。 画像▲海霧は、太平洋沿岸でよく発生するとのこと。FPS対策でやむを得ず。肌寒そうな鵡川駅。

 選ばれたのは、150でした。ということで、完全に過去入りしてしまったヨンマルですが、こちらではまだまだ現役です。山紫水明コンビや恵み系ラッピング車両は諸事情で登場しませんが、日高色とJR北海道色は確定で登場します。え?鵡川往復だと登場すらしない?否定できませんね。
 では、苫小牧駅と鵡川駅が「ある程度」まともになった気がするので、これで一旦は完成ということに、しましょうか。まずは苫小牧。若干面倒な部分もあって、実写テクスチャと自前テクスチャの複合攻撃です。見えない部分は完全省略。日高線の0キロポスト位置を0mとしていますが、停止位置はちょうどいい感じ。マンションは階数と部屋数を真似ただけで、本物とは異なる部分が大いにあります。
 つづいて鵡川駅。csvから手打ちでコツコツと道路や歩道面を作成し、実際に配置されてるアパートもゼロから錬成。駅舎手前側には道南バスの停留所、ベンチ、駐輪場がありますが、こちらは現状省略。左手には富内線跡、そして倉庫と鉄道施設。こんなところでしょう。
 苫小牧駅~鵡川駅間は片道30分なので、運転時間としては丁度よいが、停車駅は3駅のみ。代わりにヨンマルで85km/hまで爆走できるので、ブレーキに慣れてしまえば楽しいです。重量もあるので乗り応えも抜群。勇払~浜厚真間は確実にシカが出るようにこしらえたので、実際に現地でのヨンマルの活躍と気苦労の絶えないであろう運転士とシカの戦いも是非体感を。

 最後の問題はアナウンス。現地で録音しましたが、かなり雑音が入っており、とてもじゃないがクオリティはよくありません。ちょっと代替手段を考えてます。
1.雑音そのままで採用
2.収録をお願いする(現地ではなくスタジオ録音)
3.持ってる人からの連絡を待つ(クレジットで明記)
4.無音
 これでいけば、最悪は4ですかね。「ください」なんて気軽にお願いできる人間じゃないので、受け身で気長に待つとしましょう。

さらばヨンマル。

画像▲大晦日の最終で、ぶどう酒を飲みながら。足元が暖かかった。 画像▲2019年の新函館北斗駅。1700番台。 画像▲2009年の札幌駅。よく見たら最後尾がキハ48。 画像▲倶知安から長万部まで乗ってきたのは、キハ150とキハ40のコンビ。こちらは700番台でした。

 ダイヤ改正前最終日。ヨンマルは正直あまり思い出が無かったんですが、年末年始の日高線では大いに楽しませてもらいました。ということで、写真を何枚かこちらに供養します。あまり撮らなかったけど、最後それなりには乗ったかな。酒盛り以外の写真3枚は、いずれも札幌訪問時のものです。撮り鉄よりも移動するほうで忙しかったので(2009年は葬儀、2019年は特急頼み)、"なんとなーく"で撮ったもののみ。なので、最後はお金を気にせずに日高線で乗り回しができて、しっかり意識に残る経験ができたなと思います。次回訪問するときはデクモか150ですね。あまり車両を気にしなくてよくなるから、次回は様似までひとっ走りといきたいものです。

 お疲れ様でした。ヨンマル。

鵡川駅開通

画像▲350番台と1700番台の列車交換…という、あったかもしれない世界線(実際あった)。

 JR北海道としてのキハ40の活躍も、いよいよ来週のダイヤ改正で見納め。最後の休日ということで、増結運転していたらしいです(風の便り)。そんな日高線ですが、先程鵡川駅に残りのオブジェクトを配置したことで、第一工区にあたる苫小牧→鵡川はほぼ開通です。走行音も曲線、橋の下、短尺継ぎ目、できる限り対応させています。特に室蘭線並走区間は、90km/h近くの最高速度で"激重車体"が爆走するので、ジョイントやポイントを通過するたびに上下の揺れが異様に激しい(腰に悪そう)。可能な限り軌道狂い構文でそこらへんも再現してみました。
 ちなみに公開の標をダイヤ改正の3月14日としていましたが、どうあがいても間に合わないので延長戦に突入させていただきます。……そりゃ枯れ木やらシカやら、設備の動的再現に時間を割いてしまったので。
 いやそれにしても、日高線のヨンマルは楽しかった。

北海道らしさと軽量化

画像▲勇払原野はシカの出没がとにかく多い。夏季でも日中だろうが出てくるらしいので、居座りと飛び出しのテスト中。勇払~浜厚真間のダイヤは、シカとの接触事故を想定して、やや寝かされています。 画像▲一番苦労した枯れ木の最終形態はこちらです。無理なところは無理!ということで、多少透過抜けは残りますが、これで良しとする。 画像▲キハ22も現役時代へ近づけるためディテールアップ。透過抜けも目立たなくなりました。前作と是非比較を。

 木の再現についてです。
これまでフリーオブジェクトを採用してきたアドオンですが、北海道が舞台の路線なので、樹木の一新を図りました。「透過pngあるある」の透過抜けバグに四苦八苦しましたが、気にしすぎると沼にはまって抜け出せなくなるので「まぁここまでいけば、なんとかなるでしょ」というところでいったん妥協しました。完璧は目指さなくてもいい。
――なぜなら今回は、"枯れ木"が相手だから。
年末年始の現地取材では、線路周辺の樹木にも着目しました。松の木が多く植生している地域なので、針葉樹を目立たせようと試みました。木のテクスチャについては自前で夏タイプと冬タイプを数点用意したので(決してAIではない)、早速csv→x変換の要領で錬成。広大な北海道を再現したいため、描画距離が10,000mでも60fpsをある程度保てるように試行錯誤を繰り返します。
 樹木のオブジェクトは、上から見ると「十」の字になるよう作成しました。これはRON氏のフリーオブジェクトを参考にしたデザインです。遠方でカーブしている箇所でも、板ぺらに比べれば見栄えがよい。あとは、z方向へ25m間隔で並べられる通常タイプと、x方向に25m間隔で並べられるタイプの二種類を作成し、zバッファなどという透過抜けバグと格闘しながら植樹。
そして最終手段。遠景用ストラクチャでとにかく隙間を埋める。
 勇払原野も、出来る限り容量を減らしつつ樹木の連続感を軽減しました。ズームしてしまうとバレバレですが。

 ちなみに、xファイル自体にも容量軽量化のひと工夫。目に見えて大きな変化があったかはわかりませんが、「0.000000,0.000000,0.000000;」といった小数第六位まで表記されている数値をがっつりと小数第一位~第二位ぐらいまで丸めました。「0.0,0.0,0.0;」といった具合に。特に連続使用する樹木類や線路で試験的に実施。結果多少のサイズ軽量化は出来たので、これもまたfps維持のために確認すべき事柄としましょう。

 同じ要領で、キハ22で気になっていた、連結器回りの補修も完了。こちらは同時に当時の資料を漁って、窓周りをディテールアップ。灰色のHゴム仕様へ。やっぱり引き締まる。ところでふと思ったことなんですが、キハ40とキハ22は明らかにブレーキのかかり具合が違くて、応答性というか、タイムラグの差がかなりあります。つまるところ、ヨンマルは他形式と連結する場合(例えばキハ54)、ブレーキのかかりが遅いので、連結器周辺にかなりのショックがかかると思うんです。ではどのように運転していたのか?ってことなんですが…。BVEでは他形式との協調運転ができる車両データって無いので(知る限りでは)、すごく気になる部分であります。
 ※キハ54先頭+キハ40後部の2両運転では、どうやらキハ54側でブレーキをかける際、一気に込めるのではなく、ヨンマルにブレーキが効き始めるまで「常用→重り→常用→重り」などと徐々に強めてブレーキをする…らしい。情報が中々出てこないので、なんともいえませんが。要約すると、車両同士のショックを身体で感じ取ってブレーキ操作ということに。職人芸過ぎる。

車両のこと

画像▲日高線オリジナルカラーの350番台。 画像▲旧国鉄・北海道代表。

 路線がどうであれ、真っ先に気にしていそうなのが車両群だと思っているので、こちらの進捗を。
 BVE日高線で登場するキハ40系350番台および1700番台。かつては更にキハ130形のNDCシリーズタイプがいましたが、海辺を走るため塩害による老朽化が早かったため、わずか15年で再びキハ40に営業運転を譲ることとなっています。そんな350番台ですが、100番台と何が違うか。それはエンジンです。キハ130形のほうが性能面で優れていたため、そのキハ130で引かれたダイヤに乗れるよう馬力を強化したグループです。やがては通常仕様の700番台もエンジンの強化で1700番台へ改番。2019年~2021年にかけて350番台廃車と共に、1700番台が転属して現在に至ります(3月末で引退)。流れとしては北海道仕様で100番台が登場→ワンマン化で700番台化→一部が日高線専用350番台化→350番台以外は機関更新で1700番台へ改番し、350番台を廃車。
 一方、妻木鉄道時代(公開終了)に製作したキハ52形もどきを再利用してキハ22も錬成。車体長は20m(キハ40は21m)なので、他形式と連結させた時に色々設定するのが大変でした。国鉄広尾線の幸福駅で保存されていたものを利用して実写仕様へグレードアップ。昔作ったものが役に立つ。人生どうなるかわからんものだ。
 余談ですが、この日の埼玉は雪でした。みなさんも風邪をひかないように。

勇払駅・浜田浦駅

画像▲苫小牧駅から13キロ走って1駅目。 画像▲廃駅については妥協しがち。

 勇払駅と浜田浦駅が出来ました。小物を置いたり、地形を追加したりしてたら丸二日、あっという間。ホームが置いてあっただけでしたが、停目やミラー、駅名標を設置したところで駅らしくなってまいりました。こういうところを進めるのもかなり楽しい。ジオラマを作ってるみたい。同時に何度かヨンマルで試運転を重ねていますが、駅間が長い上に集中しているとあっという間に日が傾く。一応簡易的に車内放送も流れるようにしてますが、雑音がひどいので別の方法を考えるしかない。

浜厚真駅

画像▲キハ40-350を添えて記念撮影。 画像▲鵡川方面へ目を向けたら――シカでした。

 浜厚真駅が完成しました、一番乗りです。おめでたい。緩急車のお顔は隠れてしまったわけですが…。前後の勇払駅と浜田浦駅も並行て取り掛かっています。ムラがあるけどノッてしまえば早い。勇払原野真っただ中の駅なだけあります、周りには何もありません。鵡川方面の踏切まで歩いたらシカに遭遇しました。カメラ目線でキマってる。
 画像には映ってませんが、背の高い距離標も作成し、全区間500m間隔で仮置きしました。前面展望や取材写真と見比べてもあまり誤差はなかったようです。型にはまったみたいで結構気持ちがよかった。日高線に限った話では無いですが、距離標を置くことで北海道の壮大さを改めて実感してほしいなと思います。歳食っても驚かされてばっかりです。内地の人間からすれば。

勇払原野

画像▲風景の中にイラスト調の自然物がどのくらい馴染めるかで良し悪しが決まる。 画像▲一方で、写実的になってしまった冬期。手作りオブジェクトとのバランスが非常に厳しくなる。

 早速ですが、現況報告と行きます。日高本線アドオンは線形が開通し、苫小牧~鵡川の各駅舎も設置が終わりました。ここからは風景の作り込みです。一応自分の中では設置する順序を設けています。最初に線形(勾配・曲線)を一通り作ってから、踏切・信号・鉄橋を設置して位置関係を把握する流れ。そして最低限の駅設備。これをやってしまえば、複雑な構内の距離感も多少掴めます。年末年始に現地取材をおこなったのは苫小牧・勇払・浜厚真・鵡川・大狩部・新冠・静内のみ。キハ40も散々乗り回して乗り心地や運転時の状況も全て身体に叩き込んだので、あとは資料を漁りまくるのみ。
 ぶっちゃけた話、キハ40は山陰本線(浜坂~城崎温泉)と山線(倶知安~長万部)で乗ったのみなので、その時の肌感覚では「とにかくスタートダッシュも速度も遅い」というイメージがありました。ところが日高線では今まで以上に意識して乗ったからか「意外と速い」という驚きに。正直、デザインがパッとしない薄味な印象の車両だったので、最後の最後でキハ40の良いところをこれでもかと目の前に見せつけられましたね。大晦日の苫小牧行き最終で、缶チューハイ片手にキハ40を楽しんだのは一生忘れない。

制作準備・検証中

画像▲ジャーナルで公開した1枚。P車解結可6連氏のキハ40形を、北海道仕様に調整しました。車両だけは出来ています。

 BVE5向けの次回作として、日高本線を題材にした路線制作の準備・検証を進めています。
 線形・勾配・曲線は既に一通り形となっており、これから各駅のオブジェクト制作や、周辺風景をどう表現していくかで試行錯誤をしている段階です(苫小牧~静内は現地取材済み*後述)。
 なお、前作「奥羽本線(山形線)」同様、イラストベースのオブジェクトを用いた表現となるため、正確には「日高本線"風"」です。進捗がありましたら、またこちらでお伝えしていきます。
 *ニコニコ動画にて、現地取材を兼ねた日高本線での旅の様子を公開中です。「終末への旅路・日高本線との5日間

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